「セットバック」の土地を購入するメリットや注意点とは?
不動産購入を検討していると、広告などで「セットバック」という言葉を見かけます。
くわしく知らずに購入し、理想的な家が建てられなかったという事態を避けるためにも、セットバックとは何か、メリットや注意点もおさえておきましょう。
土地購入の前に知りたい「セットバック」とは?後退のルールも解説!
セットバックとは、英語で「後退」を意味しますが、「住宅を道路から"後退"させて建てなければならないこと」です。
これには、「建築基準法」が関わってきます。
住宅を建てる土地については、「接道義務」が定められており、通常「4メートル幅以上の道路」に対して、敷地が2メートル以上接していなければなりません。
これは、旗竿地であっても同様です。
しかし、建築基準法が施行される以前の基準にしたがった4メートル未満の道路は今も多く残っています。
そこで、以前の基準の道路沿い建っている住まいは、立て替え時に、土地を後退して建てる必要が出てきます。
後退の位置がどのように決められるかは、道路をはさんだ対面する土地の状況で決まります。
道路の向こうが「宅地」なら、4メートル未満の幅の「道路の中心線から2メートル後退」させます。
もし、反対側が川や線路敷き、崖などの場合は、建物を建てる側だけで4メートルの道路幅にする必要があります。
そのため、ルールが異なり、道路の反対側からこちらに向かって、4メートルの位置にセットバックすることとなります。
セットバックの土地の購入メリットや注意点とは?
セットバックの土地購入には、後退させることで生じるメリットが複数あります。
まず防災面では、火災時に感じる利点が2つあります。
1つは、住宅と住宅の間が離れるので、延焼の危険性が低くなること。
そして、もう一つは、道路幅が広がることで緊急車両が入りやすくなることです。
もちろん、緊急車両に限らず、家族で使う車の出し入れもしやすくなりますね。
4メートル幅の道路になれば、車同士のすれ違いもスムーズです。
一方、注意点としては、セットバックの土地購入では、後退部分も含めての購入となります。
セットバックは公共の道路として使用するもので、後退した部分を花壇にするなど、私的には使うことができません。